フロアパッド比較テストの結果から読み解く、本当のコスパとは?
清掃現場において、フロアパッドの選定は作業効率と床の仕上がりを大きく左右する重要な要素です。清掃業者の皆様はフロアパッド選定の際、「コスパ(コストパフォーマンス)」、つまり価格と品質のバランスを重視されることが多いでしょう。しかし、フロアパッドにおけるコスパの本質を見誤っているケースも少なくありません。
本記事では、"アメリコ史上最強の剥離用パッド"と謳われる「タイタン」、その下位製品「ヘラクレスEA(エクストラ アグレッシブ)*」、そして競合製品Aの比較テストの結果から、フロアパッド選びの重要なポイントを解説します。
*アメリコ社の製品名「Dominator」を、ポリッシャー.JPでは「ヘラクレスEA(エクストラ アグレッシブ)」の名称で販売していますフロアパッド比較テスト概要
以下の資料は、フロアパッドの性能を3つの段階(新品時、20回使用後、40回使用後)で比較し、5層のワックスを剥離するために必要な往復回数を示したものです。結果を見ると、タイタンはヘラクレスEAと比べて効率的である一方、競合製品Aにはわずかに及ばないことが分かります。
性能比較
・ヘラクレスEA: 12回の往復が必要
・タイタン: 6回の往復が必要
・競合製品A: 5回の往復が必要
タイタンはヘラクレスEAよりも効率的で、競合製品Aに僅かに劣る結果となっています。
・ヘラクレスEA: 16回の往復が必要
・タイタン: 7回の往復が必要
・競合製品A: 6回の往復が必要
耐用限界時でもタイタンはヘラクレスEAを大きく上回る性能を維持し、競合製品Aに近い結果を示しています。
価格差
3つのフロアパッド(15インチサイズ)の価格を比較すると以下のようになります。(※2024年12月:ポリッシャー.JPでの販売価格)
・タイタン: ヘラクレスEAの1.36倍(タイタンは36%高価)
・競合製品A: ヘラクレスEAの1.53倍(競合製品は53%高価)
タイタンは競合製品Aと比べて性能はわずかに劣るものの、価格が11%安価であり、優れたコストパフォーマンスを実現しています。
では果たして、他の2つのフロアパッドと比較して、「耐久性が劣る」と評価された「ヘラクレスEA」を選ぶ意味はないのでしょうか?
いいえ、そんなことはありません。以下でご説明します。
「ヘラクレスEA」を購入することが最適解となる3つのパターン
【基本情報】:ワックス剥離作業における標準的な選択肢は黒パッドですが、より効率的な作業を求める現場向けに開発されたのがヘラクレスEAです。タイタンの下位製品として、手頃な価格で高性能を実現しています。
パターン1: 使用頻度が低く、初期コストを抑えたい場合
ヘラクレスEAは高性能な剥離用パッドの中で、タイタンより安価な製品です。価格が抑えられているため、以下のような場面で最適です。
低頻度で使用する場合、耐久性や中間状態以降の性能維持はそれほど重視されません。新品時の性能が他製品と同等であれば十分です。頻繁に使用しないことで耐用限界に達する前に交換時期を迎えることも多く、結果的に低コストで運用できます。
新規参入の清掃業者や、小規模での運用を行っている事業者にとって、初期コストを抑えることは重要です。ヘラクレスEAは手頃な価格で提供されるため、導入時の負担を軽減できます。
例えるなら、頻繁に乗らない車を購入する際に、高価な高級車ではなく、シンプルでコストの低い車を選ぶようなイメージです。
パターン2: 現場でのパッド消耗が激しく、頻繁に交換が必要な場合
床材の状態や汚れの種類によっては、フロアパッドの摩耗が著しく早く進行し、頻繁な交換を余儀なくされる現場があります。そのような状況下では、以下の理由からヘラクレスEAが適切な選択肢となります。
床材が粗い、または強い汚れが多い現場では、パッドが短期間で消耗するため、耐久性の高さが意味を持たない場合があります。このような現場では、リーズナブルなヘラクレスEAを使用することで、運用コストを抑えることができます。
頻繁に交換するパッドの在庫を多く抱える必要がある場合、比較的安価なヘラクレスEAをまとめ買いすることで、コストの管理が容易になります。さらに、頻繁に交換することで常に新品の状態で作業を行えるため、実質的な洗浄効果も維持できます。
これは、使い捨てマスクのように、高価な布マスクではなく、価格を抑えた使い捨てタイプを大量購入して使用する考え方に似ています。
パターン3: 一度の使用で効果を最大限に引き出したい場合
比較テスト結果によると、ヘラクレスEAは新品時の性能が他の2製品と同等で、初期状態での清掃効果が高いことが分かっています。このため、次のようなケースで特に効果を発揮します。
清掃現場では、特に重要な場面に遭遇することがあります。元請け会社や協力業者に対して清掃技術の高さを示す必要がある時、新品のヘラクレスEAを使用することで最高のパフォーマンスを実現できます。この場合、長期的な耐久性よりも、新品時の高い性能を活かして即座に効果を出せることが大きなメリットです。
特殊な清掃現場や、衛生面が特に重視される環境では、1回の使用でパッドを廃棄することもあります。この場合、耐久性よりも初期性能と低価格が重要視されるため、ヘラクレスEAが適しています。
これは、使い捨ての紙皿やカトラリーを購入する際に、耐久性よりも価格を重視する状況に似ています。
ヘラクレスEAを選ぶ理由
「ヘラクレスEA」を購入することが最適解となるのは、以下のようなケースです。
これらの状況を考慮し、自社の運用スタイルに最適な選択肢を検討することが重要です。ヘラクレスEAは価格を抑えつつも、新品時の性能が十分であるため、特定の用途には非常に有用な選択肢となります。
一見すると、これまでの内容はヘラクレスEAとタイタンを持ち上げているだけのように思えますが、ここで重要な点があります。製造メーカーのアメリコが、比較テストにおいて競合品Aの性能が最も優れているという事実を公開しているのです。このように競合製品の優位性を認める姿勢からは、アメリコの誠実さと透明性が伺えます。
最高品質を追求するのであれば、競合製品Aが最適な選択となるでしょう。また、状況によっては最高品質の製品を選ぶことこそが、結果的に最高のコストパフォーマンスにつながる可能性もあります。
この比較テストの出典元は、フロアパッド「タイタン」の販促資料です。競合製品Aの名前は伏せられていますが、清掃業界に長く携わる方なら、どの製品かはお分かりでしょう(笑)。皆さんは、このテスト結果と、アメリコの正直な姿勢をどのように評価されますか?
フロアパッドのコスパ、もう一つの側面とは?
フロアパッドのコスパを見極める際は、価格と品質だけでなく、パッドの設計や使用状況に応じた性能維持の仕組みにも注目する必要があります。たとえば、耐久性の高い不織布を使用したフロアパッドは形状を長く保ちますが、これは必ずしもメリットとは限りません。なぜなら、研磨剤が脱落して研削力が低下していても、外見が変わらないため、効果が落ちたパッドを使い続けてしまう可能性があるためです。
一方で、使用に伴い不織布が徐々に削られ、常に表面に新しい研磨剤が露出する設計のフロアパッドでは、安定した研削力を維持できます。たとえ製品寿命が短くても、最後まで高いパフォーマンスを保ちながら使い切れることは、大きな利点といえます。
つまり、フロアパッドのコスパを判断する際は、単なる価格と品質のバランスだけでなく、パッドの設計特性や使用状況に応じた性能維持の仕組みにも着目することが重要です。
まとめ
フロアパッドの選定において、真のコストパフォーマンスを理解することは非常に重要です。以下が重要なポイントです。
結論として、フロアパッド選びでは、価格と性能の単純な比較だけでなく、使用環境や頻度、作業内容など、総合的な観点からの判断が必要です。また、パッドの設計特性や性能維持の仕組みも考慮に入れることで、より適切な選択が可能となります。
物価上昇が続く昨今、消耗品の購入方法の見直しが欠かせません。この度、大変お得な「9枚購入で1枚無料!10枚まとめ買い」サービスが復活しました。ぜひご活用ください。対象商品は以下のとおりです。
🙇申し訳ございません、上でご紹介した3種類のフロアパッドは、このまとめ買いサービスの対象外です。
【アメリコ製品】
アメリコ フロアパッド ブラック(13インチ・15インチ・17インチ)
アメリコ フロアパッド ブラウン(13インチ・15インチ・17インチ)
アメリコ フロアパッド グリーン(13インチ・15インチ・17インチ)
アメリコ フロアパッド ブルー(13インチ・15インチ・17インチ)
アメリコ フロアパッド レッド(13インチ・15インチ・17インチ)
アメリコ フロアパッド ホワイト(13インチ・15インチ・17インチ)
【スーパーメラミンパッド】
スーパーメラミンパッドII(13インチ・15インチ・17インチ)
スーパーメラミンパッドⅡ HD(13インチ・15インチ)
スーパーメラミンパッドHD(17インチ)
スーパーメラミンパッドII 隅擦り用
スーパーメラミンパッド隅擦り用HD